新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によってインタビューライターもニューノーマルに対応しなければならなくなりました。
今までなら対面で行っていたインタビューも、リモートでの取材が中心になっています。
とはいえ、その方法はまだまだ試行錯誤。暗中模索の状態です。
取材やインタビューをメインとしたライターとして活躍中の二階堂ねこさんは、ある大失敗で冷や汗ものだったそうです。
どんな体験だったのかを教えて頂きました。
私は、フリーライター業のかたわら、「みんなの経済新聞」ネットワークの地元ニュースメディア「和歌山経済新聞」の記者をしています。
そこでは地域密着の記者として、飲食店のオープン情報や地域のイベント情報、桜の開花情報などの季節の便りはもちろん、和歌山ならではの珍しい取り組みなども取材して回っています。
しかし、このコロナ禍で、取材はほとんどリモート。
最初の頃はZoomの使用感に慣れず、音声のタイムラグがあることなどにあたふたしました。
それでも、ようやく最近ではもう慣れてきて、リモート取材ならではのお作法的なことも分かってきたと思っています。
例えば「取材を依頼する側が、Zoomのミーティングルームをセッティングする」。
私はこれをマナーととらえ、常に心がけていることです。
ある日、市職員の方への取材をすることになりました。
先方は非常に忙しい方でした。なかなか日どりが決まらなかったのですが、ようやく約束をとりつけることができました。
ただし、取材の前後にも会議があるとのことで、いただいた時間は30分。
私は早速、いつものようにZoomで指定時間のミーティング予定をセットし、メールで招待を送信。取材の準備をしてその時を迎えていました。
ところが、当日約束の時間になってもその市職員の方がログインして来ません。
再度取材日時を確認したら、やっぱり合っています。
最初は「前にも会議が入っていると言っていたから遅れているのだろう」と楽観的でした。
しかし30分しかない取材時間の10分が過ぎたころ、やっぱりおかしい!と思いメールを確認。
するとそこには、先方からのZoomの招待メールが来ているではありませんか!
そうです、私は私が用意したミーティングルームで取材相手を待ち、先方は先方が用意したミーティングルームで私を待っていたのです。
やっとつながったときにはもう残り15分。どうしてもいただきたいコメントを最優先に超早口でお伺いしてなんとか取材は終えました。
終わったときは、よくわからない汗をびっしょりかいていました。
後のメールで、先方は「メールの末尾にZoomミーティングへの招待があったことに気づかなかった」と恐縮なさっていました。
しかし、私のメールの書き方にも問題があったのです。
用件の後にただ「招待のコピー」を貼り付けただけだったので、メールの署名のように見えて、見逃していたのです。
それに、「取材を依頼する側が、Zoomのミーティングルームをセッティングする」が総ての人のルールでもありません。
以来、私はメールに、「Zoomのミーティングルームを作りました。当日お待ちしております」と一言添えて送るようにしています。
取材では日時や時間、場所は必ず確認しますが、リモートではそれ以外に「どらちがミーティングルームを設定するか」があります。
「どちらがミーティングルームをセッティングするのか」は最初に決めておかないと大変なことになります。
そのうち、『リモートで気を付けたいマナー集』なる書籍が刊行されるかもしれませんね。