昭和40年男【“未来”の原体験 少年誌のSFパノラマ】

クレタパブリッシングが刊行している、昭和40年生まれの男性限定情報誌『昭和40年男』(2018年5月11日発行)で、「“未来”の原体験 少年誌のSFパノラマ」というページの執筆を担当しました。

ここでは元原稿を掲載しておきます。

『昭和40年男』

昭和40年男

「輝かしい未来」から「懐かしい未来」へ…。
“未来”の原体験!
昭和のSFパノラマ。

 僕たちはいつも夢の翼を広げ、空想の世界を駆け抜けていた。ある時はロケットに乗って星々を巡り、ある時はエアーカーでハイウェーをかっ飛ばしていた。いつもずっと遠くを目指していた。
 今一度、輝かしくも懐かしい未来へと誘おう。来るべき真の未来のために。

 世界初の人工衛星、スプートニク1号をソ連が打ち上げたのは1957年のこと。この出来事は世界中に衝撃を与え「スプートニク・ショック」という言葉を生んだ。
 それからわずか12年後の1969年には、アメリカの宇宙飛行士ニール・アームストロングがアポロ11号で月面に着陸。宇宙が“眺めるもの”から“行ける場所”と変化して行った激動の12年間だった。
 ソ連とアメリカが繰り広げた宇宙開発競争は最後の最後でアメリカが逆転勝利した。そして、宇宙は僕たちの憧れの場所になった。未来がとても身近な時代になった。
 僕たちが思い描いた夢をビジュアルとして描いてくれたのが昭和のイラストレーターたちだ。
宇宙や都市、交通、ロボット、コンピュータ、そして海底の世界までリアルに魅せてくれた。
 テクノロジーが未来を変えようとしている現在。でも、そのあるべき未来を最初に絵にしたのはそんなイラストレーター達のイマジネーションだったのだ。

宇宙はフロンティアスピリッツに溢れている。
宇宙で遊ぶ。

 宇宙開発の未来像は多くの科学者が構想した。その見解や研究は科学雑誌などに掲載されたが、そこからヒントを得てイラストレーターたちは未来の宇宙を描いた。
 絵にリアリティがあるのは、まったくの絵空事ではなく、実は科学的な根拠があるからだ。
 当時としては突拍子のない空想で、少しトンデモな世界だったとしても、現在の視点から見ると理にかなっているところもあって、これからの未来は絵が現実化されている可能性もあるのではないかと思わなくもない。

都市空間のインフラは変わる。
都市・交通の未来。

 未来の都市や交通はどのような姿になるのか? それは多くの人にとっての関心事だった。
 未来では日本でもニューヨークの摩天楼のように高層ビルが立ち並び、エアーカーが飛び交っているだろうと誰もが思った。
 新幹線が1964年に開通し、日本初の超高層ホテル、京王プラザホテル本館が1971年に新宿に建設されてから加速を増して現実になりつつある思い描いていた未来。でも、僕たちが夢見た未来にはまだ到達していない。それでも、僕たちが憧れた「未来」が現実になるのもそう遠いことではないだろう。

「未来」といえばやっぱりこれ。
ロボット・コンピュータ。

 ロボットやコンピュータが考えられたのはかなり古い。1920年にチェコスロバキア(当時)の小説家カレル・チャペックが発表した戯曲『R.U.R.(ロッサム万能ロボット商会)』でロボットの名称が登場する。また、現在のコンピュータのルーツは40年代に見ることができる。古くから人間に代わって働くコンピュータは考えられてきたのだ。

人類未踏の世界。
海底を探検する。

 宇宙より未知の世界が拡がるのが海底だ。海底の開発には特殊潜水艦が活躍する。また、海底都市がそびえ、パーソナルなサブマリンが行き来する。
 フイリピン沖のマリアナ海溝にあるチャレンジャー海淵は世界で最も深く、10,920mある。日本では有人潜水船「しんかい12000」の開発がはじまっており、海洋研究開発機構は2023年ごろの運用開始を目指しているという。

Client

クレタパブリッシング

Media

昭和40年男

Category

雑誌